最終更新日:2022年05月26日
2019年8月厚生労働省は、平成30年度労働基準監督署によるサービス残業の指導結果を公表しました。
サービス残業分を各労働者に支払った金額が、1企業で合計100万円以上の事案が対象で
■ 労働基準監督署に是正指導された企業数
1,768企業 (前年度比 102企業減)
■ 支払われた割増賃金の平均額
1企業当たり711万円(労働者1人当たり11万円)
■ 労働基準監督署の実態調査 事例
「割増賃金が月10時間までしか支払われない」と労働者からの情報提供により立ち入り調査を実施した結果、
・労働時間管理表に労働者が手書きで労働時間を書いていた。
・自己申告の時間外労働は、最大月10時間でPCのログ記録、金庫の開閉記録とかけ離れていた。
となっています。
出典:厚生労働省平成30年度労働基準監督署によるサービス残業の指導結果
2019年4月1日から働き方改革が始まりました。
すべての人の労働時間の状況を「客観的な方法」で把握することが、法律で義務付けられています。
以前は対象外だった裁量労働制で働く人や管理監督者も対象となっています。
「客観的な方法」とは
■「タイムカードによる記録」
■「PCなど電子計算機の使用時間の記録」
■「その他の適切な方法」
とされています。(労働安全衛生規則第52条の7の3)
なお時間外・休日労働時間が月80時間を超えた※労働者には、超えた時間に関する情報を本人に通知しなければなりません。
※研究開発業務従事者は、上記に加えて月100時間超の時間外・休日労働を行った者、高度プロフェッショナル制度適用者は、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について月100時間を超えて行った者
通知を受けた労働者に疲労の蓄積が認められ、本人から申出があった場合、会社は医師による面接指導を実施しなければなりません。
(安衛法第66条の8第1項、安衛則第52条の2第1項)
面接指導を実施した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置を実施しなければなりません。
ところで労働基準法の改正により、2020年4月1日からタイムカードや出勤簿など始業・終業時刻の記録の保存期間が延長されることになりました。
記録の保存期間について、5年に延長しつつ経過措置として当分の間は3年とされています。(労基法109条)
またタイムカードなどの記録に関する賃金の支払期日が最後に記録した日より遅い場合には、支払期日が記録の保存期間の起算日となることが明確化されました。
例)4月分の賃金計算期間が4月1日~4月30日で4月分の賃金支払期日が5月15日の場合
→4月分の賃金支払期日が5月15日で、タイムカードの記録が完結した日(4月30日)より遅いため、5月15日が記録の保存期間の起算日となり5月15日から3年間保存
出典:厚生労働省「事業主の皆さま、労働者の皆さま未払賃金が請求できる期間などが延長されています」
「年次有給休暇管理簿」に記録しておかなければならないこととは?こちらをご覧ください。
働き方改革については、こちらもご覧ください。
夜勤のシフトなど労務管理や助成金などについては、こちらをご覧ください。
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