賃金

課長や部長などの管理職に深夜割増賃金の支払いは必要?

 
 

労働基準法41条で管理監督者は、労働時間、休憩および休日に関する規定の適用除外とされています。

 
 
 
 

ただし深夜労働(午後10時~午前5時の間)に関する規定は適用されるため、管理監督者が午後10時~午前5時の間に仕事をした場合、深夜業の割増賃金を支払う必要があります。

 
 
 
 

先月、労働政策研究・研修機構HPで「管理職の働き方に関する調査」が、公表されました。

 
 
  
 

管理職の深夜労働に対する割増賃金の取扱いについて令和2年10月1日時点の調査によると

 
 
 

(1)管理職に対して深夜労働に対する割増賃金を支払っていると回答した事業所割合 75.9% (平成17年調査41.7%)

 
 
 

(2) 深夜労働に対する割増賃金が支払われていると回答した事業所の支払方法

 
 
 

1位 「実際に労働した時間に対して割増分(25%)が支払われている」79.5%

 
 
 

2位 「管理職手当等に含まれている」15.7%

 
 
 

3位 「その他」 4.2%

 
 
 

という結果になっています。

 
 
 
 

出典:労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.212管理職の働き方に関する調査」図表2-Ⅱ-3-9 ・図表2-Ⅱ-3-11

 
 
 
 

残業代や休日出勤手当を支払う必要がない「管理監督者」とは、労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体的な立場にある人で

 
 
 

■ 経営者と一体的な立場で、売上金や社員のスケジュールなどの管理業務を行っている

 
 
 

■ 採用や配置・労働条件の決定などの労務管理や経営方針を決定する権限があり、経営者と一体的な立場である

 
 
 

■ 出勤時間や退勤時間など労働時間を自分で自由に決定できる

 
 
 

■ 基本給や役職手当が一般社員より厚遇されている

 
 
 

と役職名ではなく、「職務の内容」「責任と権限」「労働時間」「待遇」などの実態で判断されます。

 
 
 
 

よって「課長」や「部長」などの役職者でも、上記に該当しない人が、時間外労働や法定休日に仕事をした場合は、割増賃金を支払わなければなりません。

 
 
 
 

なお上記の条件を満たす管理監督者でも、深夜(午後10:00~午前5:00)に仕事をした場合は、割増賃金の支払う義務があります。

 
 
 
 

深夜労働の割増賃金の計算式は、下記のようになります。

 
 
 

深夜労働の割増賃金=1時間当たりの賃金額×深夜の労働時間数×割増率

 
 
 
 

「1時間当たりの賃金額」については、基本給だけでなく役職手当などの※各種手当も入れて計算します。

 
 
 
 

※各種手当:通勤手当など除外が認められているものを除く

 
 
 
 
 
 

役職手当などの各種手当を月額で支払っている場合、時給に換算する方法については、こちらをご覧ください。

 
 
 
 
 
 

夜勤1回につき夜勤手当を5,000円支払っている会社は、深夜手当の支払いは必要ない?については、こちらをご覧ください。

 
 
 
 
 
 
夜勤のシフトなど労務管理や助成金などについては、こちらをご覧ください。

 
 
 
 
 
 

労務相談やハラスメント相談窓口代行、就業規則の診断・改定・作成、各種手続き、研修講師などのご依頼は、こちらをご覧ください。

 
 
 
 
 
 

令和4年4月1日から始まった改正育児・介護休業法や法改正情報などについては、こちらをご覧ください。

 
 
 
 
 

 
 
 

 

こちらの関連記事もご覧ください。

 
 

2015年3月に島根県益田市にて社会保険労務士事務所を開業した池口と申します。 「求人を出しても応募がない」 「優秀な人に長く勤めてもらいたい」 と人材不足や労務管理に悩む社長さまのご相談をオンライン(Zoom、Skype、Chatwork)・LINE・メール・FAX・電話・訪問などご希望の方法で承っております。 令和3年度財団法人介護労働安定センター雇用管理コンサルタント任命。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。