過重労働で、脳梗塞や心筋梗塞など脳血管・心臓疾患になった場合、脳・心臓疾患の認定基準を満たしていれば労災補償の対象になります。
24日、厚生労働省HPで令和3年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました。
■令和3年度の過労死等に関する労災補償
・請求件数3,099件(前年度比264件の増加)
・支給決定件数801件(前年度比1件の減少)→うち死亡(自殺未遂を含む)件数は136件(前年度比12件減少)
このうち令和3年度の脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況については
(1)請求件数は753件(前年度比31件減少)
(2)支給決定件数は172件(前年度比22件減少)→うち死亡件数は57件(前年度比10件減)
(3)業種別の傾向
・請求件数が多い業種(大分類)
1位「運輸業,郵便業」155件、2位「建設業」105件、3位「卸売業,小売業」92件の順で多い。
・支給決定件数が多い業種(大分類)
1位「運輸業,郵便業」59件、2位「製造業」23件、3位「卸売業,小売業」22件の順に多い。
(4)職種別の傾向業種別の傾向
・請求件数が多い職種(大分類)
1位「輸送・機械運転従事者」161件、2位「専門的・技術的職業従事者」110件、3位「サービス職業従事者」と「建設・採掘従事者」78件の順で多い。
・支給決定件数が多い職種(大分類)
1位「輸送・機械運転従事者」54件、2位「専門的・技術的職業従事者」27件、3位「管理的職業従事者」19件の順に多い。
(5)年齢別の傾向
・請求件数が多い年齢「50~59歳」268件、「60歳以上」256件、「40~49歳」168件の順で多い。
1位「50~59歳」268件、2位「60歳以上」256件、3位「40~49歳」168件の順で多い。
・支給決定件数が多い年齢
1位「50~59歳」67件、2位「40~49歳」55件、3位「60歳以上」36件の順に多い。
(6)時間外労働時間別(1か月または2~6か月における1か月平均)の傾向
・支給決定件数は「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」20件が最も多い。
また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」56件が最も多い。
出典:厚生労働省「令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
昨年、厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を20年ぶりに改正しました。
20年ぶりに改正された脳・心臓疾患の労災認定基準については、こちらをご覧ください。
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