厚生労働省の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」が、令和4年3月版に改訂されています。
育児・介護休業のように、糖尿病やがん・心疾患・難病など病気の治療と仕事の両立支援を法律で会社に義務づけた休業制度はありません。
ガイドラインでは、会社が労働者の病気治療と仕事が両立できるようにするための取り組み方など下記の内容がまとめられています。
1 治療と仕事の両立支援を巡る状況
2 治療と仕事の両立支援の位置づけと意義
3 治療と仕事の両立支援を行うに当たっての留意事項
4 両立支援を行うための環境整備(実施前の準備事項)
5 両立支援の進め方
6 特殊な場合(治療後の経過が悪い・障害が残る場合・再発した場合)の対応
また参考資料として
■ 下記の様式例集
・勤務情報を主治医に提供する際の様式例
・治療の状況や就業継続の可否等について主治医の意見を求める際の様式例
・職場復帰の可否等について主治医の意見を求める際の様式例
・両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成例
■ 労働者・事業者が利用できる治療と仕事の両立に関する支援制度・機関
■ がん・脳卒中・肝疾患・難病・心疾患・糖尿病に関する留意事項
が掲載されています。
ところで健康保険の加入者(被保険者)が、「(労災以外の)病気やケガで仕事を休んで年次有給休暇を使い切った」という場合、生活保障として「傷病手当金」が支給されます。
傷病手当金の支給対象となるには、下記の1~4すべてを満たす必要があります。
1 業務外や通勤災害でない(労災保険給付の対象外の)病気やケガの療養で仕事を休んだ
※病気と見なされないもの(美容整形など)は対象外
2 仕事に就くことができない(労務不能)
3 1の日から連続する3日間(*待期期間)を含めた4日以上仕事に就けなかった
*待期期間は、土日祝日、年次有給休暇を取った日も含めてカウントする(給与の支払いの有無は関係なし)
4 休業した期間に給与の支払いがない
(傷病手当金より少ない額の給与の支払いがあった場合、その差額を支給)
支給される1日分の傷病手当金は、下記の計算式で計算した金額となります。
「いちばん最初に給付が支給される日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」
健康保険法などの改正で、同一のケガや病気などについて傷病手当金の支給期間のカウント方法が下記のように変わっています。
■ 改正前
傷病手当金の支給が開始した日から暦で数えて1年6か月
(職場復帰して出勤した日も含めてカウントする)
■ 2022年1月1日から(2020年7月2日以降に支給が開始した傷病手当金が対象)
傷病手当金の支給が開始した日から受給した日を合計(通算)して1年6か月になるまで受給可能に
例えば新型コロナウイルス感染症に感染し仕事を休んで自宅療養した社員が、仕事に復帰したが後遺症で再び休んだ場合、改正前後で下記のようにカウントします。
■傷病手当金の支給が開始した日が2020年7月1日の場合(改正前)
「傷病手当金の支給が開始した日から、職場復帰して出勤した日も含めて暦で数えて1年6か月まで受給可能」
■傷病手当金の支給が開始した日が2020年7月2日以降の場合(改正後)
出勤して傷病手当金が支給されていない日数分はカウントされないため
「傷病手当金の支給が開始した日から、受給した日数の合計が1年6か月まで受給可能」
詳細は、下記のリーフレットをご参照ください。
月1回開催が必要な安全衛生委員会を新型コロナウイルス感染症対策で延期や中止できる?詳しくは、こちらをご覧ください。
入社時に必ず必要な安全衛生教育の内容とは?日本語、英語など14言語別の研修用資料がダウンロードできるサイトは?詳しくは、こちらをご覧ください。
半年ごとに会社の健康診断を受診させる必要がある夜勤者とは?こちらをご覧ください。
夜勤シフトなどの労務管理や助成金などについては、こちらもご覧ください。
労務相談や研修・セミナー講師などのご依頼は、こちらをご覧ください。
法改正情報などについては、こちらをご覧ください。
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