1日気象庁HPによると16:10石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、石川県能登に大津波警報5 mが発表され、津波到達中と推測されています。
出典:気象庁2024年01月01日16時14分発表震度速報、2024年01月01日16時22分発表大津波警報・津波警報・津波注意報・津波予報
大事に至らないことを祈っております。地震の発生や大雪警報発令などの影響による電車などの遅延・運転見合わせによる帰宅困難が、社会問題となっています。当記事では、従業員を早退させた場合の休業手当や帰宅困難者のホテルの宿泊代・タクシー代を事業主が支払う必要があるケースとないケースについて解説します。
台風や大雨・地震などで臨時休業!休業手当の支払いは必要?
会社の都合(使用者の責めに帰すべき理由)で労働者を休ませた場合、平均賃金の60/100以上の休業手当を支払わなければなりません。(労働基準法第26条)
ただし大雨や地震など天災事変などの不可抗力で、下記の1と2の両方を満たしている場合の休業については、休業手当を支払う必要はありません。
1.その原因が、事業の外部より発生したこと
2.事業主が通常の経営者として、最大限の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること
台風や大雨・地震などの天災事変などで、会社の施設や設備が、直接的な被害を受けて従業員を休業させた場合は、使用者の責めに帰すべき理由による休業には該当せず、休業手当の支払いが不要とされています。
会社が社員に帰宅命令をし早退させた場合、休業手当の支払いは必要?
休業は、全1日の休業だけでなく、短時間の休業も対象になります。
午前中に仕事をした社員に事業主が「台風が接近中で暴風警報が発令されたので、早退するように」と、予報の段階で帰宅命令をし社員を早退させた場合、上記の1と2に該当せず
「休業手当(平均賃金の60/100)>午前中勤務した時間分の賃金」
に該当する場合は、差額を休業手当として支払う必要があります。
(例)午前中勤務した社員(日給10,000円)を、会社の指示で早退させた
午前中の勤務時間分の賃金(4,000円)を支払った場合は
(10,000円×60/100)− 4,000円=2,000円
と差額の2,000円を休業手当として支払う必要があります。
電車の運転見合わせによる帰宅困難者のホテル代やタクシー代は?
台風や大雨など自然災害・人身事故などの影響で、電車が運転見合わせとなり社員が帰宅できず帰宅困難になり、ホテルに宿泊した場合やタクシーを利用した場合の費用の負担については、下記のようになります。
■ 社員が自主的にホテルに宿泊またはタクシーで帰宅した場合、ホテル代やタクシー代を会社が負担する必要なし
■ 会社の指示で社員の方をホテルに宿泊させたり、タクシーで帰宅させた
→ホテル代やタクシー代は、会社が負担する必要あり
自然災害時などの臨時休業による休業手当の支払いやホテル代・タクシー代の取り扱いについては、あらかじめ就業規則などで定めておきましょう。
まとめ
気象庁の会見によると、今後1週間余震と津波に警戒を呼びかけています。会社は、従業員の安全配慮義務があるため、今後の気象庁などの情報を考慮し、年末年始休業明けの仕事始めの日について検討しましょう。
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