令和4年12月23日に、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の一部が改正され令和6年4月1日から適用されます。
タクシー・ハイヤー運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)は、下記表のように変わります。
改正後(令和6年4月1日) | 改正前 | ||
日勤 | 1カ月の拘束時間 | 288時間以内 | 299時間が限度。 |
1日の拘束時間 | 13時間以内(上限15時間、14時間越は週3回までが目安) | 13時間以内(上限16時間) | 1日の休息期間 | 継続11時間以上与えるように努めることを基本とし、9時間を下回らない | 継続8時間以上 |
隔勤 | 1カ月の拘束時間 | 262時間以内。ただし地域的事情その他の特別な事情がある場合、労使協定の締結により1年のうち6か月までは1か月の拘束時間を270時間まで延長できる。 | 262時間が限度。ただし地域的事情その他の特別な事情がある場合、労使協定の締結により1年のうち6か月までは1か月の拘束時間を270時間まで延長できる。 |
2暦日の拘束時間 | 22時間以内、かつ2回の隔日勤務を平均し1回あたり21時間以内 | 21時間が限度。 | 2暦日の休息期間 | 継続24時間以上与えるように努めることを基本とし、22時間を下回らない | 勤務終了後、継続20時間以上必要。 |
車庫待ち等の自動車運転者 | 日勤 | ・1カ月の拘束時間は288時間以内(労使協定により1か月300時間まで延長可能) ・1日の拘束時間は、以下の要件を満たす場合、1日24時間まで延長可。 ア勤務終了後、継続20時間以上の休息時間を与える イ1日16時間越えが1か月について7回以内 ウ夜間4時間以上の仮眠時間を与える(18時間越えの場合) |
・1カ月の拘束時間は労使協定により1か月322時間まで延長可能。 ・1日の拘束時間は、以下の要件を満たす場合、1日24時間まで延長可。 ア勤務終了後、継続20時間以上の休息時間を与える。 イ1日の拘束時間が16時間を超える回数が1か月について7回以内。 ウ1日の拘束時間が18時間を超える場合夜間4時間以上の仮眠時間を与える。 |
隔勤 | ■2暦日の拘束時間 ※の要件を満たす場合、24時間まで延長可。 ■1カ月の拘束時間 262時間以内(労使協定により1か月270時間まで延長可能) (さらに※の要件を満たす場合10時間を加えた時間まで延長可) ※ 2暦日の22時間超および2回の隔日勤務の平均が21時間超の回数が1か月について7回以内 |
①2暦日の拘束時間の限度は、夜間4時間以上の仮眠時間を与えることで24時間まで延長可能。ただし労使協定で回数等を定める必要有り(1か月7回以内) ②①の場合1カ月の拘束時間の限度を262時間または労使協定により262時間を超え270時間以内で定めた時間に20時間を加えた時間まで延長可能。 |
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予期しない事象 | 予期しない事象への対応時間を1日と2暦日の拘束時間から除くことができる。勤務終了後、休息期間(1日勤務:継続11時間以上、2暦日勤務:継続24時間以上)が必要 | ||
休日労働 | 休日労働は2週間に1回を超えない、休日労働によって拘束時間の上限を超えない | 2週間に1回が限度 | |
累進歩合制度 | 累進歩合制度(トップ賞、奨励加給を含む)は廃止する | 累進歩合制度(トップ賞、奨励加給を含む)は廃止する | |
ハイヤー | 労使当事者は、36協定の締結にあたり、以下の事項を遵守すること ・時間外労働は、1ヶ月45時間、1年360時間まで ・臨時的な特別の事情で限度時間を超えて労働させる場合にも、1年960時間まで ・36協定において時間外・休日労働時間数をできるだけ短くするように努める ・疲労回復を図るため必要な睡眠時間を確保できるよう勤務終了後に一定の休息時間を与える |
時間外労働は、1ヶ月50時間または3か月140時間、1年450時間の目休ん範囲内で労使協定を締結するように努める |
ところで2019年4月から働き方改革が始まり、大企業は残業(時間外労働)時間の上限規制が始まりました。
2020年4月から、小さなお店や会社などの中小企業についても、残業(時間外労働)の上限時間が法律で規制されています。
上限規制については、こちらをご覧ください。
ただし自動車運転業・建設業・医師など一部の事業や業務は、2024年4月1日から適用とされています。
(新商品・新技術の研究・開発業務は、上限規制の適用除外)
トラック、バス、タクシー運転手の残業時間の上限規制については、こちらをご覧ください。
建設業の残業時間の上限規制は、こちらをご覧ください。
働き方改革については、こちらをご覧ください。
2021年4月1日から変わった36協定届、新様式がダウンロードできるサイトは?こちらをご覧ください。
夜勤のシフトなど労務管理や助成金などについては、こちらをご覧ください。